ポルトガル語による小型船舶免許国家試験

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外国語による小型船舶船舶免許の国家試験

Brazill最近日本に住んでいる外国人の方が出演するTV番組をよく見ますが、現在200万以上の外国の方が日本に住まれています。この中で特別永住者の方は何代にもわたって日本に住まれているので、日本語に不自由はないでしょうが、他の外国人には日本語の特に読み書きはたいへん高いハードルです。自動車運転免許は英語のほか、中国語やポルトガル語の試験もあり、また、それ以外の言語の国の方でも本国での免許を日本の免許に切り替える制度もあるようです。しかし船舶の場合は大型船の「海技免状」は条約による制度があるのですが、小型船舶免許(操縦免許)は、そもそも免許制度のある国が少なく、相互の条約もありません。したがって日本でボートやヨット、ジェットを操縦したければ日本の免許を取るよりほかに方法がありません。米軍の要望で英語による試験は小型船舶操縦試験は年に数回行っているのですが、その他の言語は残念ながら実施されていませんでした。

英語による試験

1.2級、特殊は年に3回くらいは実施されています。また、米軍関係の要望により増えることもあります。英語圏の人や英語が堪能な外国人の方はいいのですが、その他の国の方は日本語で日常会話ができる方でも、なかなか難しいです。フリガナの付きの問題もあるのですが、漢字が読めても意味がわからなければ解けません。過去日本語の試験問題で合格したのは問題集を自国の言葉に翻訳して丸覚えした非常に根性のあるイラン人とボリビア人が2名と他数名ほどです。あとは英語のできるドイツ人、フランス人、ブラジル人、中国人、ロシア人・・・。

在留外国人

その9割近くが中国、韓国をはじめとするアジア人ですが、次に多いのが南米です。そのあとに北米、ヨーロッパ、オセアニア、アフリカと続きます。特に南米の方は総数の1割近くを占め、母国語は英語ではありません。南米の日系の方が多数日本で働いておられ各地にブラジル人街があるのをご存じでしょう。その彼らが10年ほど前からボートやジェットに乗りたいと免許を取りに来ていただくのですが、実技試験は合格するのですが、学科試験が何度受けても受かりません。さすがにこちらも気ずつなくなって、この数年はお断りしていました。

ポルトガル語による登録教習と審査

当教室は一般社団法人全国小型船舶教習所連合会傘下の登録教習(国家試験免除)も行っています。登録教習所は試験機関から試験問題を購入して独自に審査ができます。審査に合格すれば教習所が修了証を発行し、国家試験を受験することなく免許が取得できるというやつです。私たちは去年ブラジルの方向けに通訳を立てた学科教習と、(みなさん日本語の日常会話はできますが・・)試験問題をポルトガル語に訳した学科審査を実施しました。落っこちて再審査した方もいましたが、最終的には全員無事合格できました・・
しかし、制度の隙間を利用した力技の教習だったので、さすがに試験機関と国土交通省から「いかがなものか」というクレームが入りました。ただ、こちらも「不正」をして合格させたわけではないので結果的には皆さんが免許を手にされましたが、一民間がやれる領分を超えているというお叱りは受けました。

ポルトガル語国家試験

「お叱り」だけでは終わりませんでした。国もある種の懸案事項だったようで、本件をきっかけに動いてくれました。表題のとおりポルトガル語の国家試験の実施を決めていただきました。おりしも東京でのオリンピックも決まり、円安で外国の方が多くいらっしゃり、少子化問題やTPPもあり、さまざまなことの国際化は世の流れで、これも追い風になったと思います。これまでも自動車運転免許や他の職業資格のような生活に密着したものはありましたが、ほぼ9割以上レジャー系の免許である小型船舶免許に国が門戸を広げてくれたのは喜ばしい限りです。

ポルトガル語教習

さいわい当教室にはポルトガル語をはじめ、英語、独語等、数か国語を喋れるブラジル人先生がいるので、彼が今必死になって教科書を作ってくれてます。6月中旬に日本で最初の1.2級と特殊小型のポルトガル語の国家試験講習と国家試験をマリーナクラブリブレで行います。
もし、あなたの友達にボートやジェットを操縦したいブラジルの方がいるのなら教えててあげてください。ただし、日本人と同じで勉強は必要ですよ。

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